視覚で語る看板デザイン:未来を創る表現:変化に対応し、新たな価値を生む「提案力」(5/6)
時代を先取る看板:潜在ニーズを形にする力
看板のデザインは、常に変化する時代やニーズに対応し、新たな価値を生み出す可能性を秘めています。
単に今あるものを改善するだけでなく、お客様のまだ気づいていないニーズや、未来のトレンドを見据えた提案が、長期的な成功へとつながります。
現代社会は情報がたくさんありすぎる状況であり、お客様は日々大量の宣伝情報にさらされています。
その中で、いかに自社の看板を目立たせ、記憶に残るものにするかは、看板のデザイナーの技術の見せどころです。
お客様のビジョンを形にするパートナーシップ
「お客様の『こんなのがいい』というざっくりとしたイメージを、具体的なデザインに落とし込むことが重要」
これは、私たちデザイナーが単なる依頼を受ける側ではなく、お客様のビジョンを共有し、それを形にするパートナーとしての役割を担っていることを示しています。
お客様自身も気づいていない「本当に求めているもの」を引き出し、それをデザインに反映させる能力は、今後の看板業界においてますます重要になるでしょう。
そのためには、お客様との細かいやり取りはもちろんのこと、”市場のトレンドやライバル会社の動き、ターゲット顧客の特性などを深く理解し、それらを総合的に踏まえた上での「提案力」”が求められます。
単に「A案とB案、どちらが良いですか?」と聞くのではなく、「お客様のビジョンを実現するためには、A案のこの部分をさらにこうすることで、より効果的になります」といった具体的な提案ができることが、お客様からの信頼を得る上で欠かせません。


デジタル技術が広げるデザインの可能性
また、「今後は、動画を活用した看板など、より動きのあるデザインも検討していくべき」という話もありました。
これは、デジタルサイネージやプロジェクションマッピングなど、従来の動かない看板にはないデザインの可能性を物語っています。
動画やアニメーション、あるいは触れて操作できる機能を取り入れることで、看板はより動きがあって、より多様な情報を伝えることができるようになります。
例えば、時間帯によって表示内容を変えたり、特定のイベントに合わせてデザインを切り替えたりするなど、柔軟な運用が可能になることで、看板の宣伝効果はさらに高まるでしょう。
デジタル技術の進化は、看板のデザインに新たな表現の自由をもたらし、創造的なアイデアを無限に広げる可能性を秘めています。
しかし、単に最新技術を導入すれば良いというわけではありません。
重要なのは、その技術をどのように活用し、お客様のメッセージをより効果的に伝えるかという視点です。
【次回予告】
最終回となる第6回では、長く愛される看板に共通する条件と、私たちデザイナーとお客様が共に価値を創造する「共創」の重要性について考察します。