【商業施設出店ガイド①】厳しい規制と予算をどうクリアする?オーガニックスーパー様の「天吊りサイン」設計事例

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【商業施設出店ガイド①】厳しい規制と予算をどうクリアする?オーガニックスーパー様の「天吊りサイン」設計事例

商業施設出店のカギは「内装監理」への対応力。
オーナー様の理想と、施設のルール・予算を両立させる「天吊りサイン」設計術

ショッピングモールや大型複合商業施設への出店は、多くのオーナー様やFC開発担当者様にとって、ブランド価値を高める大きなプロジェクトです。
しかし、いざ計画を進めると直面するのが、路面店とは異なる「内装監理指針(レギュレーション)」という厳格な施設基準と、避けては通れない「オープン日」という時間的な制約です。
今回は、先日私たちが施工を担当させていただいた「オーガニックスーパー」様の事例をもとに、厳しい施設基準と限られた予算の中で、いかにしてテナント様の理想を叶える「天吊り看板」を実現したか。その舞台裏を、企画・設計の視点からご紹介します。

出店プロジェクトの「3つの課題」

今回のご依頼は、福岡県内の某大型複合商業施設の食品エリアに出店されるテナント様でした。
店舗の顔となるメインサインの設置についてご相談をいただきましたが、プロジェクトには以下の3つのハードルがありました。これらは、多くの出店者様が共通して悩まれるポイントでもあります。

1.オープン直前のタイトなスケジュール

ご相談いただいた時点で、オープンまで残された期間はわずか「2週間」。通常、商業施設の看板工事は、内装監理室への図面提出・承認、製作、施工までを含めると1ヶ月以上を要することも珍しくありません。一刻の猶予もない状況でした。

2.施設特有の厳格なレギュレーション(内照式の義務)

施設側から提示された指針には、「意匠面(看板)の少なくとも1箇所は、内照式(発光する仕様)にすること」という条件がありました。
商業施設では、空間の演出や視認性を保つため、単なるパネル看板ではなく、照明演出を含んだ仕様が求められるケースが多々あります。

3.コストコントロール

ここが最も重要な経営課題でした。内装工事全体で予算調整が必要な中、看板にかけられるコストは限られていました。しかし、上記の「内照式」という条件を満たすために、一般的な「LEDチャンネル文字(箱文字)」を採用すれば、製作費だけで大幅なコストアップとなり、予算を圧迫してしまいます。
「予算内で、施設のルールを遵守し、かつブランドイメージを損なわないものを、2週間で作る」
この難題に対し、私たちは看板のプロとして「仕様の最適化」で応えました。

解決策:「アクリル象嵌(ぞうがん)風」によるコストダウン提案

高額なチャンネル文字を使わずに、いかにして「文字を光らせる」か。
私たちが提案したのは、「アクリル象嵌(ぞうがん)のような仕様」への変更です。

【通常の仕様(チャンネル文字)】
金属で文字の形の箱を作り、その中にLEDを仕込む手法。立体的で高級感がありますが、工程が複雑でコスト・製作期間ともに大きくなります。

【今回採用した仕様(象嵌風加工)】
看板のベースとなる板(アルミ複合板)の、文字部分だけを機械で切り抜きます。そして、裏側から乳半アクリル板とLEDモジュールをあてがう(あるいはアクリルをはめ込む)手法です。
この手法を採用することで、オーナー様に以下のメリットを提供できました。

  • コストダウン: 複雑な金属加工を省略し、初期費用を大幅に圧縮。
  • デザイン性: 昼間はフラットでスマートな印象、夜間は文字だけが美しく浮かび上がる上品な仕上がりに。
  • 基準クリア: 「文字が発光する」という施設のレギュレーションを確実に満たし、スムーズな承認を実現。

素材選びのポイント:スピードと品質の両立

仕様が決まれば、次は素材選びです。ここでも「納期(オープン日)」と「コスト」を意識した選定を行いました。
ベース素材には、軽量で加工性が良く、安全性も高い「アルミ複合板」を採用。
表面仕上げには「インクジェット出力シート」を選定しました。
「ベタ面(背景色)がある場合、カッティングシートの方が発色が良いのでは?」とこだわられる担当者様もいらっしゃいます。
確かにカッティングシートは高品質ですが、今回は「背景色」の上に「文字」を配置するデザインでした。これをシート貼りで行うと、「背景シート貼り」+「文字切り抜き・貼り施工」という多重工程が発生し、コスト増と製作期間の延長につながります。
今回は短納期案件であったため、背景色と文字を一度に印刷できるインクジェット出力を選定。これにより製作スピードを上げ、現場への搬入を1日でも早めることで、オープン前の慌ただしい現場工程に余裕を持たせました。

施設担当者との調整もお任せください

結果として、施設側の内装監理室によるチェックも無事にクリア。
商業施設の出店では、図面の書き方一つ、素材の選定一つで承認が下りず、スケジュールが遅れるリスクがあります。
私たちは、こうした施設特有の「調整業務」や「ルールの解釈」にも精通しています。
「予算とルールが合わない」「他社で納期が間に合わないと言われた」といった場合でも、諦める前にぜひご相談ください。
素材の厚み、加工方法、照明プランなど、豊富な引き出しから貴社のビジネス要件に合わせた「ベストな一手」をご提案いたします。

次回は、この「天吊り看板」を安全・確実に設置するための、施工現場での技術的な対応についてご紹介します。

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フランチャイズ多店舗展開の看板術/【Vol.3】なぜ「丸投げ」できるのか?設計・製作・施工まで一貫して任せられるパートナーの価値
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